神棚のしめ縄は一年中つけていいのか?交換する時期や方法、固定方法などをご紹介します。また、知ると面白い紙垂の意味とは?
そういえばウチの神棚って一年中しめ縄ついてるね。
神棚のしめ縄には、一年の無事を祈るという意味合いもあるから、一年中つけていて大丈夫なんだよ。
そうなんだ!
神棚にしめ縄をつける意味や、交換する時期はこれでよいのかなど、疑問を持ったことはありませんか?
私もそうなのですが、「改めて考えると分からない!」という方は、案外多いのではないかと思いました。
そこで、この記事では神棚のしめ縄のもつ意味やつけ方、交換時期や固定方法、紙垂(しで)の意味を調べてみました。
みなさんの疑問に少しでもお答えできれば幸いです!
神棚のしめ縄は一年中つけていていいのでしょうか?
ご家庭などに神棚がある場合、しめ縄は一年中つけていてよいのか気になったことはありませんか?
神棚のしめ縄には、一年の息災を(病気をせず元気に過ごせるよう)祈るという意味合いがありますので、一年中つけていて大丈夫です!
また、しめ縄は神道(しんとう)における神祭具のことで、神様が住む世界と私たちが住む世界を分けています。
つまりしめ縄には「神様が住んでいる場所に邪悪なものが入らないようにする」という役割もあるのです。
このことからも、一年中つけておくべきだと言えますね。
神道とは、自然や物などに霊が宿るとされ、八百万(やおやろず)の神様を信仰する日本古来の宗教です。
こうした自然への信仰を形に表したものが神社であり、家で礼拝できるようにしたのが神棚です。
日本では八百万の神様を祀る(まつる)一方で、のちに入ってきた仏教によって、ご先祖様の霊を祀るという文化も混在しています。
ですから、神棚と仏壇の両方が一つの家にあったりするのです。
ふーん。
八百万の神様か。
日本人は昔から神様と仏様、どちらも大切にしてきたんだね。
しめ縄の登場する神話
しめ縄が初めて登場するのは『古事記』で、とても有名な神話です。
日の神、アマテラスが弟のスサノオの暴挙に悲しみ、天の岩屋にこもり、かたく戸を閉ざして姿を隠してしまいます。
そのため、どこもかしこもまっ暗になってしまいました。
すると悪い神々が騒ぎはじめ、あらゆる災い(わざわい)がおこりはじめます。
困り果てた神々が相談し、力を合わせてアマテラスを岩屋から引きずり出すと、岩屋の入り口にしめ縄をはり、アマテラスが岩屋に戻れないようにしました。
こうしてアマテラスが戻ってくれたので、天も地上も明るくなったのです。
『古事記』を読んでみたいけれど、わかりやすいものがいいという方には、こちらの『絵物語 古事記』がおすすめです。
私も持っているのですが、全ページに絵があり、とても親しみやすく楽しく読み進めることができます。
絵物語 古事記
お正月のしめ飾りとは
神棚のしめ縄と混同しやすいのがお正月のしめ飾りだと思います。こちらもしめ縄の一種であるからです。
お正月のしめ飾りは、歳神様(としがみさま)をお迎えするのにふさわしく、神聖な場所を表しています。
歳神様は豊作や健康をもたらしてくれる神様で、山から降りてくると考えられています。
また、家を守ってくれる祖先の霊とする地域もあるようです。
年に一度決まった時期に降りてくる神様なのでお祀りしている神社もありますが、基本的には神社や神棚にいらっしゃる神様と歳神様は別の神様と言われています。
そして、歳神様が各家庭にいるのは松の内までとされています。
松の内とは
門松などのお正月飾りを飾っておく期間のことで、関東では1月7日、関西では1月15日までとされています。
どんど焼きとは
松の内が明けると、どんど焼きでしめ飾りや書初めなどをお炊きあげします。
どんど焼きは、左義長、三九郎、道祖神祭などと別の呼び方をする地域もあります。
お正月のしめ飾りを焼いた煙で歳神様をお見送りし、山に帰っていただくのです。
我が家では例年、お正月のしめ飾り、神棚のしめ縄、書初めをどんど焼きでお炊き上げしてもらっています。
私はどんど焼きでお団子を焼き、そのお団子を食べると一年風邪をひかないと聞きました。
このようにお団子をふんわりアルミホイルに包んで焼くときれいに焼けるのでおすすめです。
ただ、私の住む地域では子供会がどんど焼きを行ってくれるのですが、少子化などの影響でやらなくなった所が多いです。
地域でのどんど焼きがない場合、しめ縄などは近くの大きな神社のどんど焼きでお炊き上げしてもらうか、自治体の指示に従い、ゴミとして出すことになります。
ゴミとして出す場合は、他のものとは別にし、塩や酒でお清めをしてから出すとよいでしょう。
神棚のしめ縄を交換するのはいつがいいの?
神棚のしめ縄を交換する時期は12月13日の煤払い(すすはらい)以降がよいとされています。
煤払いとは、年に一度、家の煤を払い、掃除することをいいます。
テレビなどで神社の煤払いのニュースを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
煤払いのあと大掃除をして、新しい年を迎える支度を終えたら、しめ縄を交換しても大丈夫です。
お正月のしめ飾りについても、同じことが言えます。
ただ、クリスマスが過ぎるまでは年末だという気持ちにならない方もいるのではないでしょうか?
私もその一人ですし、実際にスーパーなどでも、それまではクリスマスモード一色なのに、26日になると急に年の瀬モードに切り替わりますよね(笑)
ですから、しめ縄もお正月のしめ飾りも、年の瀬モードに突入してから交換しても遅くありません。
ただ29日と31日に交換するのはやめておいた方がいいですよ!
29日は「二重苦」を連想させ、31日は「急ごしらえで神様に失礼」といった意味があるようです。
また、30日は旧暦の大晦日なので、神様に失礼とされる場合と、逆に30日に飾るのがよいとされる場合があります。
諸説ありますので、気になる方はご家庭でルールを決めた方がよいでしょう。
ちなみに、我が家ではスーパーやホームセンターなどでしめ縄を買うのですが、ネットでも販売しているんですね!
神棚用 しめ縄3尺
神棚のしめ縄のつけ方や固定方法などをご紹介
しめ縄は太い部分が右側にくるようにします。上の写真を見てわかりますが、神様から見て左側、すなわち神棚に向かって右側に縄をないはじめた方がきます。
何本かの藁、ひも、糸などを一本により合わせること
しかし、これは一般的にということであり、逆になる場合もあり、地域によっても違うようです。
また、つけ方も雲板(うんばん)という雲をかたどった板がついていない神棚と、ついている神棚で変わってきます。
神棚がある場所にかかわらず、そこが家の中で神聖な場所だとするのが雲板です。
雲板がない場合に気をつけなければならないのは、神棚の上に人が住んでいるかどうかです。
2階建ての建物の1階であるとか、マンションの最上階より下の階にお住まいの場合などが当てはまります。
神様は敬うべき存在です。その神様のおられる神棚の上に人がいるのは、失礼なことだという考え方です。
しかし、雲板がなくても大丈夫です。このような雲をかたどったシールを貼ったり、半紙に墨で「雲」と書いたものを天井に貼っても良いです。
雲板
この時、神様から見て字が読めるように貼ります。
ただ、雲板があると、しめ縄を固定する時には非常に便利です。
こちら、我が家の神棚なのですが、赤丸をつけた部分に釘が打ってあり、しめ縄の結び目のところに紙ひもを通して結び、ひっかけています。
紙垂は以前ろうそくの火で燃えそうになったことがあり怖かったので、我が家では真ん中を空けてつけるようにしています。
雲板がない場合は、天井にフックを取り付けて吊り下げるとよいと思います。
また、調べてみると雲板だけで販売していることもあるので、ない場合は後からつけることも可能です。
神棚のしめ縄の紙垂の持つ意味は?知るとおもしろい!
神棚のしめ縄には紙垂(しで)と呼ばれる紙が付いています。
紙垂には主に吉田流・白川流・伊勢流と言う流派があります。流派によって紙垂の形が違いますが、稲妻を意味しており紙垂の役割はどの流派も同じです。
つける枚数も2枚、3枚、4枚、7枚、8枚などあり、特に決まりはありませんが、均等につける方がよいそうです。
紙垂は神聖な場所と、私たちの住む場所とを隔(へだ)てる境界となっています。しめ縄と同じ意味ですね。
また、落雷があると雨が降るので、豊作を願ったとの説もあります。
稲作が伝わって以降、日本では稲作が生活の中心となり、税金もお米で納めていました。
ですから、その年の豊作を祈ることはとても重要なことだったはずです。
さらに、しめ縄にはこのような考え方もあります。しめ縄本体は雷雲を、紙垂は稲妻を、〆の子は雨を示すという考え方です。
雷雲が出て稲妻が光り雨が降るという、一連の自然現象そのものを表しているんですね!
しめ縄は、結界であると同時に豊作を祈る意味もあると知り、昔の人の稲作に対する気持ちがわかったような気がします。
まとめ
- 神棚のしめ縄は一年中つけていてよい
- しめ縄は、一年の息災を祈ったり、邪悪なものが入らないように結界になっている
- しめ縄やお正月のしめ飾りをつけるとき、29日と31日は避けた方がよい
- しめ縄や紙垂にはそれぞれ意味があり、日本の文化に根付いている
- 諸説あるので、ご家庭でルールを決めるとよい
私と同じように、毎年なんとなくしめ縄を交換していた方も多いのではないでしょうか。
けれど、昔の人々の暮らしに根付いたものだと知ると、これからは愛着を持って取変えられる気がしませんか?
もしもそのように思っていただけたなら、うれしいです。
こちらの記事では、本当は怖い!「あんたがたどこさにの意味」について書いてあります。
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