こまめにという漢字はどう書く?こまめに水分補給は漢字で書く?「細目」「細め」とは書かないの?意味や例文、語源を解説します
「こまめに」という言葉、メールなどで打つとき漢字の変換に困ったことはありませんか?正解からいうと、「こまめに」または「小まめに」となります。
漢字で書くと「小忠実」となりますが、こまめを漢字で書く人はあまりいませんよね。
夏によく言われる「こまめな水分補給」もひらがなです。どうして「こまめ」は漢字で書かないのでしょうか?
この記事では「こまめに」という漢字や言葉の意味、「小忠実」と「忠実」の違いを詳しく解説していきます。
ぜひ「小忠実」という漢字や意味を覚えて、ちょっぴり優越感を感じてみてください♪(笑)
こまめにという漢字は「細目」「細め」ではない!?
こまめにの漢字は「小まめに」が正解ですが、時々「細目」や「細め」と表記されているものを見かけることがありませんか?
実はこれは間違いで、「細目」と「細め」は「ほそめ」や「さいもく」という読み方しかありません。
もしかしたら「細やか」という言葉から連想されて、そう書かれることがあるのかもしれませんね。
「こまめに」は漢字で書くと「小忠実に」となりますが、あまり見慣れないですよね。
「小忠実な水分補給を心がけましょう!」と書かれていても、全然しっくりこないのではないでしょうか。
なじみのない漢字なので、ひらがなにしたほうが読みやすいですよね。
ちなみに「忠実」と書いて「まめ」と読みますが、「ちゅうじつ」と読む方が一般的です。
私も「忠実」の読み方が2つあることは「小忠実」について調べているときに知りました。面白いですね♪
こまめにの漢字「小忠実」その意味は?忠実とは違う?
「小」という字がつくとなんとなく、「忠実」という意味が小さく(弱く)なるような印象がありませんか?
例えば「小太り」は太っているというより「ポッチャリ・ちょっとだけ太っている」という印象になりますよね。
しかし「小忠実」と「忠実」の場合はそうではありません。「小忠実」と「忠実」それぞれの意味と類語から、どんな違いがあるのか考えてみました。
「小忠実」と「忠実」の意味
《意味》
【小忠実】細かいところまで十分気を配って,よく働くさま。まめまめしいさま。「―な人」「―に面倒を見る」
【忠実】①まじめによく働くこと。よく気がついて面倒がらずにてきぱきと動くこと。また、そのさま。「ーな人」「筆ー」
②体が丈夫である・こと(さま)。達者。「ーに暮らす」③誠実である・こと(さま)。④実際の役に立つさま。実用的。
引用:国語辞典
「まめまめしい」という、また見慣れないワードが出てきましたね。これも漢字では「忠実忠実しい」と書きます。
「小忠実」と「忠実」の類語
【小忠実】
- 頻り(しき・り):同じ物事が間隔をおかずに何度も繰り返されるさま。
- 頻繁に(ひんぱん・に):しばしば行われること。ひっきりなしに行われること。
- 億劫がらずに:めんどうがらずに。
- 隅々まで:あらゆる隅。あらゆる方向。
- 労を惜しまずに
- 細かいところまで
- 何度も小刻みに
【忠実】
- 誠実(せいじつ):偽りがなく、まじめなこと。真心が感じられるさま。
- 篤実(とくじつ):情にあつく誠実であること。他への思いやりがあり、またまじめであること。
- 真摯(しんし):まじめでひたむきなこと。
- 至誠(しせい):このうえなく誠実なこと。
「小忠実」は労をおしまない、めんどうがらずにちゃんとやる、細かいところまで気を配るといった感じです。
「忠実」は「小忠実」の意味も兼ねたうえでまじめというニュアンスが含まれているのではと思います。
「こまめ」と「まめ」の使い方
《こまめ》
「サウナや岩盤浴ではこまめに水分を補給をしましょう」
「仕事のメールはこまめにチェックしてくださいね」
「誰もいない部屋の電気は、こまめに消して節電しよう」
《まめ》
「彼は毎日必ず彼女に電話やLINEをする、まめな男だ」
「彼女はまめに報連相ができて信頼のある優秀な社員です」
「夫はまめな人で、家事も育児もよくやってくれるので助かる」
大は小を兼ねるではないですが、「こまめ」の部分を「まめ」にしても意味は通じますが、逆は少し違和感がありますよね。
意味自体に大きな違いがあるわけではないので使い分けが難しい気もしますが、「こまめ」は動詞に、「まめ」は人に対して使うと自然なのかな?と思いました。
こまめには漢字で書く?ひらがなで書く?
「こまめに」は漢字では「小忠実に」と書きますが、ひらがなで「こまめに」または、漢字+ひらがなで「小まめに」と書くのが正解です。
もちろん「小忠実」と漢字で書くことが必ずしも間違いというわけではありませんが、メールやポスターでは相手に伝わらないことがほとんどだと思います。
この漢字をぱっと見で意味を考えても「小さな…忠実?」なんだろう…と、よくわかりませんよね。
試験や小説などで使う場面があるかもしれませんが、普段使いは「こまめに」または「小まめに」と書きましょう。
さて、この見慣れない「小忠実」という漢字は一体どこからやって来たのでしょうか。
《竹取物語 燕の子安貝》
まめなる男(をのこ)ども二十人ばかりつかわして
訳:忠実な男たち二十人ばかりをそこにおやりになって
引用:学研全訳古語辞典
語源は諸説ありはっきりしていませんが、古文の「忠実なり」からきているという説が有力なのではないでしょうか。
まとめ
- 「こまめに」の漢字は「小忠実に」と書く
- 「こまめに」の普段使いは「こまめに」または「小まめに」である
- 語源は古文の「忠実なり」からきていると思われる
- 意味に大きな差はないが「まめ」には真面目というニュアンスが含まれる
「小忠実」はいってしまえば当て字で、覚えていなくても生きていくうえで問題はないでしょう。
ですが見たことがあるようで知らない、読めそうで読めない、書けそうで書けない言葉。
これは日本語特有のもので、これだから日本語はおもしろい!!そう思いませんか?
「小忠実」という見慣れない漢字、ぜひ家族や友達に教えてあげてください♪
こちらの記事では、柚という漢字は名前によくないのか書いてあります。
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